タンポポ2005_2004予備調査実施要領 表紙

タンポポ調査・近畿2005予備調査実施要項(第1版)
(2004年4月1日〜5月31日実施)



2.「タンポポ調査・近畿2005」の目的

 身近に見られるタンポポには、在来種と外来種、そして最近ではその雑種があることが知られています。
 タンポポ調査とは、身近な地域でタンポポを探して歩き回り、その地域の自然環境を調べながら、発見したタンポポについて総苞外片の形・花や果実の色などから、そのタンポポの種類 (在来種か、外来種か) を判断して、各地域でのタンポポの分布状況の情報を集めて、地域ごとに自然環境に対する人為の加わり方の強さを知ろうというものです。
 在来種のタンポポは草刈りや踏付けなどの恒常的で緩やかな管理がされている場所に多く、近年になって、開発による土木工事などで大きく改変された土地には外来種のタンポポが侵入して分布を拡大してきました。このような両種の生育環境の違いに注目して、逆にどちらのタンポポがあるか、あるいはどちらが多いかを調べることで、その場所の環境が人間によってどの程度改変されているかを知ることができるのです。

 このようなタンポポ調査を2005年に近畿全域で行う目的は次のようにまとめられます。
  • 第一には、タンポポの調査を近畿圏全域で行うことで、近畿圏全域の自然環境の現状を把握することです。特に大阪府下のように過去からのデータが集積されている地域では過去との比較が可能です。そして過去のデータがない地域でも、他の府県の結果と相互に比較をすることで、地域ごとの自然の特性や、今後の自然環境の変化について考える材料を得ることができます。

  • 第二には、より多くの人々とともに調査を行うことで、各自が身近な自然に目を向け、自然環境の変化に関心を持つことにつながるとともに、このような大規模な調査が行われることが広く知られることで、より多くの人々が身近な自然に関心を持つようになることを期待しています。

  • 第三には、小中学校や高等学校における環境教育の一環として「タンポポ調査」を呼びかけることで、調査活動の輪を広げるとともに、身近な地域の自然環境に興味を持つ児童生徒を育てることにつながります。

  • 第四には、だれもが参加しやすい調査を共同で行い、地域の自然環境について考えることで、自然保護団体・博物館・自然愛好団体・植物研究者など参加者間で交流を図るとともに、各地域での自然保護・環境保全の課題を共有することができると考えています。

実施要項・目次
タンポポ調査・近畿2005 実行委員会 これがタンポポだ!(似た種類との識別法)
1.はじめに―「タンポポ調査・近畿2005」に向けて タンポポの種類分け(在来種と外来種の見分け方)
2.「タンポポ調査・近畿2005」の目的 雑種タンポポについて
3.新たに生じた問題―雑種タンポポの発見とその増加 過去のタンポポ調査の結果例(1970年代の京阪神、堀田1977より)
4.タンポポ調査・近畿2005実行委員会 今後のスケジュール
5.2004年予備調査について トップページ