第21回講座 奈良公園~春日山原始林:草原と森とシカの関係

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奈良公園~春日山原始林:草原と森とシカの関係  (2023.5.20)

講座内容

奈良公園~春日山原始林~若草山の草原の植生について観察するとともに、それらに大きな影響を与えているニホンジカとの関係について学ぶ。

講 師

前迫 ゆり(奈良佐保短期大学・副学長)

場 所

奈良公園~春日山原始林~若草山

奈良公園にて、講師の紹介と本日のルートの説明がなされた。この講座では、奈良公園~春日山原始林~若草山へと植生の変化と照葉樹林の森を観察し、シカとの関係について学ぶ。

奈良公園にてよく見られる紅葉が鮮やかな「ナンキンハゼ」ですが、昭和初期に植えられた外来種が増えたもので、鳥などによって種子が運ばれ、シカも食べないため春日山原始林や若草山にも増えている。

奈良公園の平坦部から春日山の概ね200mまでは、イチイガシを中心とした常緑広葉樹林であったと考えられるが、室町時代の頃に献木された、国内外来種である常緑針葉樹のナギが御蓋山に群落を作る。ナギは寿命が長く、シカが食べないことから春日山原始林にも広がってきている。

春日山原始林の多様な植物相。カナメモチの花が満開だった。画面をタッチするとウラジロガシがみられる。

春日山原始林の林床は、シカの生息密度が高いため、多様性が失われている。このままでは、幼樹が育たず多様な植物相のある森林更新ができない。実験により、シカの影響を排除することによりカシなどの実生が育ち森林更新されることが実証されているので、シカとの共生の方策を考えることが重要である。画面をタッチするとイラクサとマツカゼソウがみられる。シカに食べられないと言われていたが、最近では食べられるようになった。

若草山からみえる、春日山原始林と御蓋山(赤線のところが御蓋山)

画面をタッチするとナンキンハゼの実生がたくさんみられる。

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