第15期第18回講座 野生動物との共存
第18回講座 野生動物との共存 (2017.9.9) |
講座内容 |
奈良公園のシカを軸に人と野生動物とのかかわりについて学ぶ |
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講師 |
鳥居 春已(奈良教育大学特任教授) |
場所 | 奈良公園/奈良教育大学 |
「奈良公園は昔と何が変わったと思いますか?」という問いで、鳥居先生の講座が始まった。 |
シカが増えたことで、昔と比べると木が減っている。 |
シカが樹皮を食べることで木が枯れ、実生も食べるため、シカが食べないナンキンハゼやナギ、アセビだけが残っている。 |
柵で囲われた中の植物の状態を見ると、シカがいないときのこの地の植生を見ることができる。 |
草も小さい丈で花を咲かせて実をつけることのできるものやシカが食べないものだけが残っている。 |
秋は繁殖期。縄張りに匂いを付けるため、ぬた場で尿の混ざった泥を体に付けている雄も見ることができた。 |
午後はシカと人間との付き合い方を考える講義。まず「人間は他の生物のことを考えられる唯一の生き物」であることを認識。 |
シカが増えると、シカが食べない植物だけの世界に変わり、森林も草地に変わる。更に、増え過ぎるとシカも貧栄養状態になる。 |
シカを健康な状態に維持し、人への被害も減らして共存するためには、適正密度に管理することが必要である。 |