第14期第18回講座 野生動物との共存
第18回講座 野生動物との共存 (2016.9.10) |
講座内容 |
奈良公園のシカを軸に人と野生動物とのかかわりについて学ぶ |
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講師 |
鳥居 春已(奈良教育大学特任教授) |
場所 | 奈良公園/奈良教育大学 |
「シカは大嫌い、シカのいなかった元の状態に戻したい。」という鳥居先生の講義が始まった。どんな講義が始まるのか、受講生は興味津々。 |
大きなシイの木の下には下草が1本も生えていない。日陰だけが原因ではなさそう。犯人はシカ、芽生えてもすぐにシカが食べてしまう。 |
秋は発情の季節。オスはぬた場(泥浴びをする所)に尿をして、その泥をつけた身体を木にこすりつけ匂いをつける。縄張り宣言である。→マウスを写真の上に置くと、泥をこすりつけた木が見られる。 |
奈良公園にはシカが食べない植物だけが生えている。写真はトゲのあるイラクサ。→マウスを写真の上に置くと、ヒメワラビが見られる。 |
日なたに咲いている小さな花は、シカに食べられるので矮性化している。目を凝らして観察する受講生。→マウスを写真の上に置くと、小さなムラサキサギゴケの花が見られる。 |
左の柵内には、植物が生えているが、右の柵外には植物が生えていない。これもシカの仕業である。 |
鹿苑には、畑を荒らしたシカやけがをしたシカなどが約300頭飼育されている。畑を荒らして捕まったシカは、再犯防止のため2度と外へは出られない。 |
午後は、午前中の観察を基に、シカ(野生動物)と人間の良い関係を作るにはどうすればよいかを考える講義であった。 |
奈良公園は、2mの高さまで下枝を食べられた樹木、シカの食べないナンキンハゼの幼木ばかりが見られる不自然な世界である。「可愛いシカ」の見る目が変わった1日であった。 |