第11期第25回講座 淀川の自然環境

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第25回講座 淀川の自然環境の現状と回復    (2013.11.06.)

講座内容

淀川の自然環境の現状と回復

講師

高田 直俊 (自然環境市民大学代表/大阪市立大学名誉教授)

場所 淀川左岸河川敷―樟葉~枚方

9月16日の大洪水の跡を見ながら河川敷を移動している受講生。

 

今日の河川敷観察ルートを地図で説明し、淀川の歴史と河川改修の変遷について講義される高田先生。「河川改修は治水安全向上・高水敷の公園化・砂利、砂の採取を中心に行われていたが、2008年を境にして国は河川環境保全方法の考え方を改め、従来とは異なる考え方(浅水域の保全等)に基づき河川環境復元に取り組んでいる。この現状と問題点を考えながら観察して欲しい」

何処かの森林を歩いているかと勘違いするような河川敷を大洪水の爪痕を見ながら歩いている受講生。

樟葉8連ワンド群の第6、7ワンドを見ながら高田先生の説明を聞く。「ワンドは元々水路確保の為に作られた水制がもたらしたものであるが、最近自然環境確保の為必要であると見なおされ、ここ樟葉に8つのワンドを作っが、内3つのワンドが消滅した」

流水を阻害する樹木を伐採している現場を見て歩く。エノキ等数本の大木を残し大半は伐採されて川の水が見えるようになっていた。伐採した大きな木は製紙会社へ小さい木や枝はチップにして肥料等になり焼却はしない。

対岸の鵜殿を観察。ここには大きなヨシ原があるが、河床が低下し水際から離れ流水が入ることが無くなり危機的な状態になっていた。今回の洪水で30年~40年振りに流水が入った。「今回の流水で河川が荒れているが、これが本来の姿であり洪水の後は眺めが良い」と説明される高田先生。

    写真 1           写真 2 
      (クリックで写真拡大)      

河川敷の木に止まっている野鳥(モズ)を見ている受講生。「野鳥は環境の指標となるが、ここ淀川の河川敷は樹木が生い茂り、川の野鳥が少なくなり、山の野鳥が見られるようになっている事に危機感を覚える」 

樋ノ上ワンドを観察する。このワンドは流水が無く水たまりになっている。「ワンドは洪水等により攪乱が起こり、自然環境がリセットされるが、ここでは洪水でも流水が無かった。しかし、カワセミの姿を見たのには救われた」

牧野ワンドを見ながら高田先生の説明を聞く。「このワンドは真ん中に島を残していたが、ほぼ消えて新しい水・水際環境が誕生している」

河原に出ると川の流れが確認でき、早瀬が見られる場所があった。ここは航路確保のため新しい水制が作られ、広い砂礫地となった場所との事。
 水制:高水時の水勢緩和や低水時の流路の水深確保のため、河岸から流水中に設ける工作物。(広辞苑)

開けた河原で昼食をとる受講生。

野球広場前で、今日の講義の振り返りをしている受講生。「淀川の広大さと、淀川の自然環境にびっくりしました。治水と環境との関係も少し理解できたように思います」

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