第11期第24回講座 野生動物との共存

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第24回講座 野生動物との共存   (2013.11.2.)

講座内容

奈良公園のシカを軸に人と野生動物とのかかわりについて学ぶ

講師

鳥居 春已(奈良教育大学教授)

場所 奈良公園/奈良教育大学

講座開始場所の奈良公園飛火野で、足を骨折したシカの保護に遭遇。早速、シカの保護について説明される鳥居先生。

 

麻酔銃で捕獲する様子も、運よく見学できた。麻酔銃に使う注射器も見せて頂き、その仕組みも教えて頂いた。

改めて講座スタート。「飛火野を見て、何か気づいたことはありませんか?」と問われる先生。奈良公園はシカによって作られた特殊な環境であることに気づく。

シカの背の届く枝や葉、草は食べ尽くされている。シカの影響を受けない柵の中の植物の状態を見て、シカの影響を実感する受講生。

奈良公園で繁殖できる木は、アセビやナギ等、シカが食べないものだけ。それらの木だけでできた特殊な林を見る。

シカは樹皮も食べるため、樹木は弱ったり、強風で倒れたりして、森林がなくなり草地に変わることも実物を見て学んだ。

草はシカによるストレスで矮小化し、その状態で花を咲かせて子孫を残せるように変化した種だけが繁殖している。

棘を極端に増やすことで生き残ったのがイラクサ。奈良公園のイラクサは他の地域に植えても棘が多い。

午後は奈良教育大学で講義。「シカは植物環境を変え、それによって生息動物や文化までも変える」と語られる鳥居先生。

シカはカモシカと違い、増え始めると止まらず、高密度で生息して、植生に影響を与えるのだということを知る。 

現状把握に基づく保護管理計画とモニタリングを含む管理事業の重要性を再認識した。

講義後も受講生からシカの保護管理方法等についての質問があり、課題も含めて丁寧に答えられる鳥居先生。

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