第11期第14回講座 淀川の河川環境①
第14回講座 淀川の河川環境① 淡水域から汽水域に掛けて (2013.7.21.)
講座内容 | 14:00~16:30 ワンドの形成や保全・再生、在来種・外来生物などについての講義 16:30~17:30 城北ワンドの見学 |
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講師 | 河合 典彦(大阪市立城陽中学校教諭、淀川環境委員会水域環境部会長、淀川水系イタセンパラ研究会、稀少野生動植物種保存推進員) |
場所 | 市民交流センターあさひ西、淀川城北ワンド |
淀川をこよなく愛されている河合先生の御自宅から撮影された写真を見ながら、今日の講義が始まる。 |
淀川にかかわって40数年になる河合先生の「淀川の河川環境」の講座を聞いている受講生。 |
淀川の源流である琵琶湖は約400万年前三重県の伊賀市あたりにできた古代湖で、その後北へ移動を続け現在の位置に至ったとの説明があった。 |
琵琶湖、淀川水系の生物多様性について講義を受けた。 |
淀川は桂川、宇治川、木津川の三川が合流した川である。それぞれの川の特色、歴史(桂川は堰が多く魚が育ちにくい、宇治川は昔、巨椋池が有り生き物宝庫だった、木津川は土砂が多く流され、溜りが多く魚の産卵や生育に適している川)の説明を受けた。 |
明治時代、海外から技術者(デ.レイケ、エッシャー)を招聘し、淀川の水深確保のため水制工(粗朶沈床)を作ったが、これが後にワンドとなり生き物には都合の良い環境が出来た。 |
「城北ワンド群」は、淀川大堰によって水位が上昇し、洪水時の流れが弱まって沼状になり、淀川を特徴とする魚類の生息に適した環境が無くなりつつある。この為、上流域でワンド・タマリの復元が行われている。 |
淀川の環境変化の歴史について事例を挙げて説明される河合先生。「生き物にとって洪水による攪乱は大切」であるが、災害防止の面からすると悩ましい問題である。1971年淀川水系工事実施基本計画の改定により災害対策に重きを置いたため多くのワンドが無くなったが、近年見直しが始まっている。 |
室内の講義が終わり、淀川の堤防から「城北ワンド群」を見ながら河合先生の説明を聞く受講生。 |
ワンドに下りて河合先生の説明を受ける。淀川水系の水質は最近よくなっているが、40年代半ば以降の河川改修により多くのワンドが消滅し、本流の掘削や淀川大堰によって水の流量が減り、ワンドへの清澄な浸透水の供給が絶たれ、生物の生きていく環境が悪化している。また、外来種が増えているのも在来種が棲めない環境になっている原因でもある。 |
河合先生は、ワンドの在来種に影響を与えている外来種植物を採取し、受講生に回覧して、説明された。 |
一部完成しているスーパー堤防の上で、今日の講義の振り返りをしている受講生。 |