第10期第12回講座 自然のしくみ③

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第12回講座 自然のしくみ ③  (2012.7.4.)

講座内容 樹木の見方、生態遷移、シカの植生への影響など
講師 佐藤 治雄(大阪府立大学名誉教授/自然環境市民大学代表講師)
場所 奈良公園 

たくさんの鹿の存在が奈良公園の特徴。草は伸びるとすぐ鹿に食べられてしまうので、背の低い草ばかりだが、鹿が食べないシダは残っている。 

大きな木があるのに、地上から2m位までは葉も枝も鹿に食べられているので、ずっと遠くまで見渡せる(ディア・ライン)。

国立博物館前のアラカシの木も、鹿の届くところに葉はない。葉をちぎってみると・・・。

アラカシの葉を2つに裂くと、裂け目がギザギザになる。 

サイカチの葉は羽状複葉で、枝分かれして何枚も葉をつけているように見えても実は1枚の葉。

<左上>ムクロジの幹に腕が入るような穴が開いていて、覗くと中は空っぽ。<左下>懐中電灯で照らすと、幹の反対側の裏側に相当する部分がきれいに見える(撮影:受講生の速水さん)。<右>このムクロジの木も中は空洞で、地下茎から伸びた竹が幹を貫いて上から顔を出している。

鹿が食べないナンキンハゼの木は大きく育つ。新しい柔らかい葉も食べない。

周囲は鹿に食べられて草刈をしたかのように見えるが、植えた桜の木を守るために鹿よけの柵で囲われた一画には種々の木々が育っている。

      

アセビは有毒植物で、ナンキンハゼやアカメガシワと同様に、鹿の食害を免れる。

このクスノキの巨木は老木で、芯材がほとんどなく、形成層のあるの幹の表面に近い部分だけで立派に生きている。

アセビのトンネルをくぐって、「下の禰宜路(別名:ささやきの小路)」を森の中へと進む。

鬱蒼とした森林の中で、巨樹が倒れた後に、ぽっかりと明るく開けた部分ができる(ギャップ)。最初はシダや低木が生えるが、植生は遷移し、やがては極相としての森林へと向かう(サクセッション)。

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