都市と自然誌抜粋(トピック)No_444_201303_2
「都市と自然」誌2013年3月号の内容を一部ご紹介します。
報告 水道記念館の件で大阪市(水道局)と話し合い
文 加賀 まゆみ(理事・水道記念館と生物飼育を考えるネットワーク)
昨年「都市と自然」9月号~12月号で継続的にお知らせしていますように、昨年4月から一時休館中となっている水道記念館について、当協会は「水道記念館と飼育生物を考えるネットワーク」の一員として、水道記念館の飼育生物を守ろうとさまざまな活動をしています。そして今年1月31日、協会理事6名会員4名が、水道局担当課長ら職員7名と協議の場を持ちました。
この会は何かを決定する場ではなく、要望を聞く場とのことでしたが、協会側は大阪市を代表する水道局担当課長に、この件の取り扱いにおける問題に切り込み、以下の点をはっきりさせることができました。
・一時休館理由の「費用対効果の精査」はしていない。予算の優先順位で廃止を決定した。
・水道局は「水道記念館は現在も日本動物園水族館協会に加盟している水族館だ」という認識が希薄である。
・前回も要望している「他部局への飼育の協力要請」については実施した形跡が不明である。
・飼育生物をばらばらに譲渡すること多様性基本法での「将来にわたって生態系を伝えていくべき責務」の自覚がない。
それで協会側は、以前からの主張と同じ内容ではありますが、直接、以下を強く訴えました。
・水道局が日本一の淡水魚水族館を運営していること自体、高度浄水システムをPRするためにも、すばらしい広報である。
・現在淀川の環境悪化は激しく、水道局が思っている以上に、飼育生物とその繁殖技術は大変貴重なものになってしまった。
・生物多様性の観点から飼育生物の散逸は不可。ジーンバンクとしても、全種の一括飼育展示と飼育繁殖技術を継続すべきである。
・飼育生物は大阪市民の財産。他部局での管理、他施設・民間への委譲、独立施設への道、企業との協力など、大阪市内での継続のあらゆる可能性をさぐってほしい。
翌日水道局から、昨日の主張をもう一度書面にして提出してほしい、という連絡が入りました。また夕方の情報番組(関西テレビ)で、「(生物の展示は)水道局の目的ではないですよ。やるなら別の部局がきちっと目的を掲げてやればいい」という橋下市長の談話が放映されていました。少しだけですが、一歩前進したかもしれません。
※関西テレビの画像部分(グレーの四角)について
「都市と自然」では、テレビ局から画像を提供していただき、橋下市長の談話(テロップ入り)画像を掲載いたしましたが、この画像のインターネット掲載の許可が、どうしても得られず、こういう掲載方法をとることになりました。大変お詫び申し上げます。
もとの画像をごらんになりたい方は、是非、「都市と自然」のバックナンバーをご覧ください。当協会事務所にファイルしてあります。