ネイチャーおおさかHP読者のみなさん
「余野川ダム事業の中止」をメールで要請しよう!! | |||||||||||||||||||||
(社)大阪自然環境保全協会・事務局
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■ メールの送り方 | |||||||||||||||||||||
要請文・意見・訴えの宛先は 「 淀川水系流域委員会 猪名川部会 各委員 様 淀川水系流域委員会各委員・各部会各委員 様 国土交通省近畿地方整備局 様 」 です。 宛先の下に、要請文・意見・訴えをお書きください。 内容については、
メールの送信先は: 三菱総合研究所関西研究センター内 「淀川流域委員会・事務局」 (k-kim@mri.co.jp)です。 なお、淀川水系流域委員会のHPは: http://www.yodoriver.org です。 このHPでも意見の受付をしています。 | |||||||||||||||||||||
■ 大阪自然環境保全協会など7団体が提出している要請書 2001年12月3日 | |||||||||||||||||||||
国土交通省近畿地方整備局 淀川水系流域委員会 委員各位 淀川水系流域委員会猪名川部会 委員各位 要請7団体・各代表者(末尾に記載) 謹啓 淀川水系流域委員会ならびに同委員会猪名川部会の各委員におかれては、国土交通省の「淀川水系河川整備計画」策定に関わる様々な課題への精力的取組に敬意を表します。 さて、ご承知の通り、国土交通省は大阪府箕面市下止々呂美(しもとどろみ)地先において、余野川ダム建設を中心とするダム事業を進めています。この事業は、猪名川総合開発事業の一つとして、「淀川水系河川整備計画」の対象となっています。 しかし、この事業は、治水面、利水面、さらに自然環境に対する負荷の面からも必要性の極めて乏しい事業であるため、同委員会ならびに同部会の各委員におかれては、「淀川水系河川整備計画」策定に際して、余野川ダム建設などの事業を同計画に位置づけず中止とする意見を表明され、国土交通省・近畿地方整備局・猪名川総合開発工事事務所に具申していただきますよう、宜しくお願い申し上げる次第です。 謹白 ・なお<別 紙>などに、本件の要請の理由を記述、添付しています。 | |||||||||||||||||||||
■ 別 紙 | |||||||||||||||||||||
同ダム事業を中止とする意見表明を要請する理由 (1)治水面 余野川ダムは、一庫ダムと合わせ、基準地点(小戸)おける基本高水のピーク流量3,500m立米/秒を、計画高水流量2,300立米/秒に調節するものです。余野川ダムは自流域が5.0km2 と非常に小さいため、間接流量である余野川本川の洪水の一部を分派導水し、同ダムに貯留することにより下流の洪水を調節する計画です。 しかし、同ダムの必要性の根拠の一つにされている計画高水量は明らかに過大であり、また、猪名川と余野川は現況の河道形態になって以来、深刻な水害を引き起こしたことはなく、さらに疎通能力向上を目指した工事が行われています。これらの点から治水面における余野川ダムの必要性はありません。
利水面では、都市用水として1日10万立米の取水が可能な計画です。内訳は、阪神水道企業団(尼崎市、神戸市、芦屋市、西宮市の水道事業者)の水道用水として新たに1日最大9万立米(軍行橋地点)、またダム湖周辺に計画されている「水と緑の健康都市」などの水道用水として新たに1日最大1万立米の取水を可能にするものです。 しかし、水需要の過大な算出や「水と緑の健康都市」の縮小計画提示などから、利水面でもダム建設の必要性はありません。
余野川ダム事業の計画地域およびその周辺は、国の環境基本計画の里地自然地域に相当する豊かな生態系を擁した里山であり、自然に恵まれない大阪都市圏にとって次世代に引き継がねばならない極めて貴重な財産です。 ダム建設と、ダム湖を囲むように開発が計画されている「水と緑の健康都市」を含めた両事業計画地域では、1999年に種の保存法の希少野生動物であるオオタカの巣が発見され、その後、営巣(繁殖)が確認されています。また、ニホンジカなどの大型動物をはじめ、ダルマガエルなどの絶滅危惧種も多く生息し、言うまでもなく豊かな生態系がはぐくまれています。 また特に、こうした生物相とともに、止々呂美は「昆虫の宝庫」として全国的にも注目されている地域です。 中でも、環境庁(省)が「日本の絶滅のおそれのある野生生物」として作成された資料(レッドデータブック)で「希少種」に該当するオオムラサキは日本の国蝶としてよく知られており、自然環境の指標種としても注目されていますが、大阪府では箕面市止々呂美が数少ない本種の重要な棲息場所になっています。 また、大阪府が発行した「大阪府における保護上重要な野生生物−大阪府レッドデータブック−」で絶滅危惧U類に該当する14種の蝶のうち、スジボソヤマキチョウ、ウラナミアカシジミ、ダイセンシジミ(ウラミスジシジミ)、キマダラモドキの4種、そして準絶滅危惧種として挙げられている15種のうち、アオバセセリ、ヒメキマダラセセリ、ウラジロミドリシジミ、ミドリシジミ、ウラキンシジミ、ウラギンスジヒョウモン、オオウラギンスジヒョウモン、スミナガシ、ウラギンヒョウモン、クモガタヒョウモン、ミスジチョウ、オオムラサキ、クロヒカゲモドキの13種が止々呂美地区において記録されています。これらの蝶の多くは止々呂美地区で維持されてきた里山的自然環境に依存して生息しているもので、当地が大阪府内でも有数のすぐれた自然環境にあることがうかがえます。 こうした重要な生態系が、同ダムの建設などにより直接損なわれ、あるいはダム湖に沈むことは、国際的にも重要性が認知されている生物多様性保全や、種の保存法の理念にももとります。 しかも、余野川ダム事業では、「閣議アセス」に準じた調査だけで、アセスメントは行われておらず、今日においては少なくとも、環境影響評価法相当の環境影響評価を実施すべきです。 | |||||||||||||||||||||
■ 要請7団体 | |||||||||||||||||||||
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