大阪府の「新環境総合計画」策定に意見・提言
大阪府は2011年3月、「大阪21世紀の新環境総合計画」を策定しました。旧計画の期間切れのため策定したもので、2月には計画案へのパブリックコメントを募集。当協会も「生物多様性」施策について3点の意見を提出しました。今後、生物多様性条約名古屋会議(2010年)の成果の落とし込みに期待したいものです。
新環境総合計画は・・・(計画期間は2020年度までの10年間)
環境の保全・創造に関する施策を総合的・計画的に進めるため策定し、特徴は、新たに「地球温暖化の防止」とともに「生物多様性の保全」を施策の柱としたことなど。
生物多様性については・・・
・2020年目標
生物多様性の府民認知度を70%以上にする。(2008年府民アンケート16.9%)
生物多様性の損失を止める行動を拡大。活動する府民を30%増加。(2009年約7万人)
・施策の方向
生物多様性の重要性の理解促進/生物多様性に配慮した行動促進/府民と連携したモニタリング体制の構築/生物多様性保全に資する地域指定の拡大
保全協会の意見・提言(要約)
①生物多様性基本法に基づいて「生物多様性大阪府戦略」を早急に策定するとともに、府内の市町村ごとの各戦略策定も推進していく仕組み・スケジュールなどの具体策を盛り込むよう提言します。
②また、各戦略の策定にあたっては、「生物多様性国家戦略」が危機として警告している自然の直接的破壊(無駄な開発など)や森林等の放置による多様性低下など危機・問題について、包括的・系統的に対応していく制度・政策を盛り込むよう提言します。その制度・政策は、おもに里地里山の開発を抑制・規制するゾーニング、放置森林・竹林の生物多様性回復を推進するエリア指定・保全活動の推進などです。
③基本法に基づいて、保全のための大阪府・各市町村、事業所、府民などの責務を具体的に明示し、保全行動へ具体的に誘導できるよう盛り込むことを提唱します。
特に、企業・団体など民間等事業所による開発などの自然破壊は、「生物多様性国家戦略」が示すように大阪においても生物多様性保全の根本的な問題であるため、生物多様性基本法が有効に機能するよう、民間等事業活動における保全マニュアルなどの制定を早急に確立し遵守させていくよう提言します。