2009年度総会報告


公益社団法人化に向け変更定款の素案を報告

特定自然保護準備資金計上の予算など6議案を承認

  新任の副会長に金谷氏 新任理事・監事に3氏



     保全協会は2009年度の通常総会を5月23日に大阪市北区のエル・おおさかで開き、6議案をそれぞれ賛成多数で承認しました。協会は公益社団法人化に取り組んでいますが、その準備として変更定款の素案を報告し、また総額1900万円の特定自然保護準備資金なども計上した予算案も承認。役員人事では1名空席だった副会長に金谷薫理事が就任し、理事の増員および監事の補充選挙は信任投票の結果、理事では杉本博、早川篤の2氏が新任となり、故傍島正博氏の後任監事に岩井義清氏が選ばれました。既に理事会で辞任を了承していた常俊容子理事の辞任を報告し了承されました。
     議案は、@08年度事業報告書、A08年度収支計算書、B09年度事業計画書、C09年度収支予算書、D定款変更方針の報告、E役員選任。出席は正会員307名のうち会場33人、委任など153人の計186人。議長は岡和田齋氏が務めました。新規の取り組みなど事業計画の概要を紹介します。

     なお、2008年度収支計算書、2009年度収支予算書の概要などについては下のリンクをクリックしてごらんください。

2008年度収支計算書   2009年度収支予算書
  2008年度正味財産増減計算書 
  2009年度貸借対照表   2009年度財産目録



 ■自然保護事業

    ○里山保全では「里山ステップアップ研修」を秋以降に2回程度実施する予定です。
    ○フィールドの里山保全(グループ)は、公益社団法人化に伴う組織整備により主催団体と提携団体を明確化し、主催は太子町葉室里山クラブ、太子人工林間伐隊、妙見里山倶楽部、野崎・飯盛の山と緑を保全する会、紫金山みどりの会の5か所で、提携団体は五月山グリーンエコー、富田林の自然を守る会、八尾神立里山保全プロジェクト。
    ○野生シカ調査(野生シカ調査会)は第2期シカ保護管理計画3年目となり、今期も継続して地域個体群の調査、生息域・他地域との回廊の確保、農林業被害などの調査を通じて保護を検討。大阪府のモニタリング調査も継続して受託する計画です。
    ○主な開発問題への取り組みとしては、水と緑の健康都市のほか、安威川ダム、槙尾川ダム建設など近畿圏の無駄なダム事業中止への運動を継続します。
    ○また、公園のあり方についての調査・提言として、当面は錦織公園について、「錦織公園の自然環境調査・提言の会」を公園ボランティア団体として登録し、その活動を通じて公園の自然環境保全について検討し提言します。
    ○「ネイチャーおおさか・スタディファイル」はNO. 3を発刊します。
    ○環境省「モニタリングサイト1000」里地調査の大阪府内のサイト(穂谷コアサイトは除く)の調査結果について、今後の活動に活用できるようデータを独自に集計します。
 ■自然保護の普及(観察会・講座等事業)

    ○主催のボランティア養成講座・研修は下記の5件を継続します。(第34期ナチュラリスト入門講座、第19回自然観察インストラクター養成講座、グリーンレンジャー養成研修、第16回自然かんさつ塾、第7期自然環境市民大学)
    ○自然観察会・行事は、公益社団法人化に伴う組織整備により、主催団体は下記の16グループになりました。(百樹会、堺自然観察会、吹田自然観察会、服部緑地自然を楽しむ会、えぼしがた公園自然観察会、グリーンレンジャー観察会、枚岡ネイチャークラブ、淀川自然観察会、海の観察会、みんなでかんさつ隊、枚方しぜんハイキング、おもしろ自然たんけん隊、海がめ観察会、大和川自然さんぽの会、泉北自然を楽しむ会、水辺環境研究会)
    ○また、主催講座の修了者や既に活動しているボランティアリーダー、また主催講座運営スタッフや指導者を養成する立場にあるスタッフ等のスキルアップのための講習会を企画し、普及事業の活性化につなげていきます。さらに、 各主催講座スタッフおよび各修了生の会スタッフの相互連携や情報共有を目的とした「主催講座連携検討会議」を隔月で開催します。
    ○前年度に始めたエコツアーも継続します。
 ■講師・スタッフ派遣・調査研究(外部から依頼される公益事業)

    ○講師・スタッフ派遣は下記の通り。
    行政や行政関係機関、民間事業団体等が主催する自然環境保全に関する講座や講演/自然観察・体験の指導などの普及行事/里山保全やその指導者養成に関する講座や技術的な指導など/自然環境の調査・研究、保全計画作成、それらに関する指導など/ビオトープ整備や植栽、緑化、それらに関する指導など/エコツアーなど
    ○その他の公益事業は、調査・研究・保全計画作成を中心とした依頼公益事業を推進し、自然環境資源の基礎調査、里山里地など地域自然環境保全計画の作成、市街地における緑地保全計画の作成などを実施します。また、学校や公共施設などにおけるビオトープ整備や緑化の支援を継続します。
 ■ホームページの維持更新など

     協会の広報メディアとしてのHPの作成・運営をより充実します。また、メーリングリストの新規開設などによって協会内部のITによる情報交換の効率向上に努力します。トップページをはじめ各ページの外見および内容の改善・充実を継続します。このため、HP技術をそなえた人材の参加を呼びかけ、HP委員会の充実をはかります。
     新規事業としては、協会広報を強化するため、協会の活動全体を集約し外部にアピールできるDVDを制作します。
 ■公益法人改革への対応

    (1)定款変更の方針
  公益社団法人化に向けては公益法人改革3法に基づいて定款を変更する必要があるため、2年以内の定款変更を目ざす前段階として、今年度は理事会で変更定款の素案(本誌6月号に掲載)を作成し変更の方針を総会で報告しました。
    (2)財務的条件の整備
 1)公益社団法人化に向けては、法人の公益目的事業(費)比率を50%以上にすることなど財務的条件も整える必要があり、現在の保全協会の公益目的事業比率が50%以下になっている主要因である「繰越収支差額」について、その一定額を「特定自然保護準備資金」として計上しました(収支予算書参照)。
 2)上記の公益目的事業(費)比率の算出にあたっては、その計算上の見なし公益目的事業費として、ボランティアの無償役務でも実際に人を雇った場合の費用と見なすことができるため、ボランティアに関する「見なし費用」(実体として発生するものでなく支払いも伴わない費用額)を試行的に計算する方針です。
    (3)経理会計システムの変更
  公益社団法人化に向けては、公益法人会計基準に基づく最新の経理会計様式・処理を行う必要があるため、本年度よりこれを採用します。
 
 ■販売事業

     自然環境やその保全、生物に関する意識、知識、理解などを広く市民に普及するため、関係する書籍や物品などを販売します。



以 上

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