「都市と自然」2003年3月号「あんなこと・こんなこと」
「タンポポ調査2005近畿」が動き始めた


高畠 耕一郎


 保全協会は1975年より5年ごとに大阪府下でタンポポ調査を実施してきた。2005年には、滋賀県立琵琶湖博物館と共同で呼びかけをして近畿一円でタンポポ調査を行い、外来種の分布の広がりを把握する計画を立てている。2003年はそのための準備討議と研究期間にする。2004年には、参加団体の募集や予備調査を実施し、2005年に本実施する予定である。

 今年の3月には、近畿7府県(滋賀・三重・京都・奈良・大阪・和歌山・兵庫)の代表に集まってもらい、初めての会合をもつ。また、4月には雑種問題などの研究論文発表者やタンポポ研究者の方にも集まっていただき、「私たちが2005年に行う近畿地方のタンポポ調査を意義あるものにするためにはどうすればよいか」の討議をしていただく準備をすすめている。

 この調査は、タンポポを生物指標として、近畿全域の自然環境の現状を把握することを目的としている。大阪府はすでに外来種と雑種が分布を拡大しているが、まだ、在来種の多い地域も含めて調査することで、純粋な外来種と雑種タンポポの今後の分布拡大を知る基礎資料となる。 また、調査を行う過程で、近畿地方の自然保全団体と博物館や自然愛好団体との交流を図り、各地域での自然保護・環境保全の課題を共有できることも目的においている。

 今後は、近畿7府県で一斉調査を行うために調査方法の統一や、調査のための組織作りを行なっていく必要があり、多くの方々にご協力をお願いしたいと考えている。もう少しすれば、より具体的な提案ができると思うので、お待ち下さい。

(2003.2.14:改訂)