「タンポポ調査・近畿2005」 本調査用

「調査用紙・頭花・痩果サンプル処理マニュアル」(第1案)

「タンポポ調査・近畿2005」実行委員会


◆このマニュアルは、近畿全体で統一して行なう最低限の処理方法です。各府県独自に、これ以外のデータ処理を行なっていただいても結構です。
なお、訂正や追加は、調査者の記載事項と区別するために、すべて赤ペンで行なうこととします。
*昨年の予備調査との重要な変更点を下線で示しています。


(1) 送付された封筒の扱い
    @ 送付されてきた封筒は所定の箱に入れておき、紛失しないように注意する。その際、気密性の高い箱ではサンプルが蒸れてしまうので、ダンボールなど紙製のものが望ましい。

    A 各府県別に予めデータの処理体制を確立し、一定の期間(できるだけ1週間以内)ごとに、送付されてきた封筒を処理する。原則として、調査場所が他府県でも送付された封筒はその府県で処理する。ただし、大量に誤って送れられてきた場合は、該当する府県の実行委員会に転送してもよい。

(2) 小袋の処理
    @ 小袋を開いて調査用紙と小袋用紙の所定の欄に下記の要領で「整理番号」(この番号を近畿全体の処理に使うので下記の要領を必ず守ってください)を記入する。
      <整理番号の打ち方>
      1) 最初の1〜2ケタ目は下記の府県番号(政府の全国統計の府県順)とする。
      11:三重、22:滋賀、33:京都、44:大阪、55:兵庫、66:奈良、77:和歌山
         *近畿以外は送られてきた県で番外として処理する。
      2) 3ケタ目〜6ケタ目は処理をした順に「0001」から順に番号を打つ。例えば、三重県の1番目のサンプルは「110001」となる。
      (なお、昨年度採取したデータが届いた場合は、例外的に2ケタ目を0とし、三重は10、滋賀は20、・・・・和歌山は70から始める。)
      3) このとき、同じ整理番号のものができないように注意する (「処理日誌」を作って、いつ・だれが・整理番号が何番〜何番までの調査用紙を処理したかを記録しておくなどするとよい。また、欠番はできてもよい)。

    A タンポポの頭花標本が入っていない場合や、間違ってタンポポ以外の花を入れている場合も整理番号を打つ。

    B もしも、1つの封筒に頭花が2個以上入っていて、それらの種類が異なる場合は、別の小袋に入れ直して、小袋ごとに上記の方法で「整理番号」を打っていく。
    その際、例えば3種類の頭花が入っていた場合は、調査用紙を2部コピーし、別の整理番号を打つことになる。
(3)「2.調査した場所」の記入
    @ 調査場所のメッシュ番号が記入されていない場合は、住所を元にしてHPで検索するか、旧環境庁作成の「都道府県別メッシュマップ」や国土地理院の地形図・市販の都市地図などを併用して、その地点のメッシュ番号を調べ、朱字で記入する。

    A 記入された住所からでは、3次メッシュ番号 (8ケタ) を特定できない場合は、2次メッシュ番号(6ケタ)まででもよいので、わかる範囲でメッシュ番号を調べる。
(4) 「4.タンポポの種類」の確認
    @まず最初に、タンポポの頭花(と痩果)を用いて、調査用紙の記載 (4.の1〜3) が正しい かどうかをを確認する。
    標本の観察から、調査用紙の種類の欄の○の位置が間違っていることがわかれば、その○の上に赤ペンで×印をつけ、正しい欄に赤○をつける。
    なお、外来種と在来種の区分については、花粉の観察後に再度修正を行う。

    Aそして、種名がわかれば、「※種名」の欄に「カンサイタンポポ」のように記入す る。種名がわからない場合は空欄にしておく。

    B頭花と痩果 (タネ) が添付されているかどうかを確認し、所定の欄の「有・無」のいずれかに○をつける。

    C また、タンポポ以外の植物(ノゲシやブタナなど)が入っていた場合は、※種名の欄に「ノゲシ」「ブタナ」のようにその植物名を記入する。不明の場合は、「不明」と記入する。

    D 「2 外来種」については、痩果(タネ)があればそれで種名が正しいかどうかを確認し、間違っていれば赤字で訂正する。タネがない場合やタネがあっても種類がわからない場合は、c.に○をつける。

    E「4 わからない」に○があれば、頭花や痩果を調べて、その結果を朱記する。
(5) 花粉の観察による「4.タンポポの種類」のチェック
    @ 総苞外片の状態の記載が「1」「2」「3」の場合は、すべて花粉のチェックを行なう。また、「4」「5」の場合も原則として花粉の観察を行うものとする。

    A 頭花の中央部をスライドガラスに押し付けて花粉を採取し、顕微鏡 (100〜400倍)、または双眼実体顕微鏡で観察する。
    このとき、このとき、セロテープを軽く頭花にあてて、それをスライドガラスに張りつけたり、「スティックのり」や「グリセリン」をスライドガラスにぬって、その上に頭花を押し当てると花粉が付着しやすい。
    カバーガラスをかけておけば長くおいても観察できる。
    花粉が少ない場合は、頭花を2つに割って中央部をスライドガラスにこすりつける。
    頭花を崩してスライドガラスに押し付けても花粉がでなかったら、ない とみなす。

    B 花粉観察の結果は、次のいずれかに判断して、所定の欄の当てはまる語句を○で囲む。
         A.花粉はほぼ同じ大きさで均一 (2倍体の在来種)。→「均一
         B.大きいものや小さいものがあり、花粉の大きさはバラバラ。→「バラバラ
         C.花粉を探してもみつからない。→「ない
         D.花粉らしいものがあるが、少なくてはっきりわからない。→「判定不能
    上記の基準を統一する必要がある。

    C (NEW) 頭花と痩果の形態からは在来種とされたものでも、花粉の観察で「バラバラ」と判断されたものについては、高次倍数性の在来種を除いて、「4.タンポポの種類」を在来種から外来種に変更(「花粉観察による修正」と記載、あるいは各県でわかりやすいようにメモ)し、痩果があればそれを確認してセイヨウタンポポか、アカミタンポポかを判断する。
(6) 処理後の頭花や痩果の扱い
    @ 調査用紙の確認が終了すれば、観察後の頭花は、再びティッシュペーパーで包み、整理番号をつけた用紙にセロテープで貼付したり、一つずつ整理番号を転記した別の封筒や小袋にいれて、各府県事務局で保存する。

    A 一方、痩果を貼付した小袋用紙については、整理番号順に並べて一定数 (50とか100) ごとに大きな紙袋に入れ、冷蔵庫内で保存する (痩果の一部は発芽させてDNA量測定等に使う予定だが、長期間室温で保存すると発芽率が低下するため)。
    この痩果は、今回は一定数まとまればすべて大阪市立大学・伊東先生あてに送付するものとする。
    原則すべて送るが、残しておきたいものがあれば痩果を一部分けて各府県が保持する。
(7) 調査用紙の記載事項の入力
    @ 調査用紙のすべての項目について確認が終われば、調査用紙の記載事項をエクセル のワークシート (各府県事務局へ添付ファイルで後日送付します) に入力する。

    A 入力の書式はそのワークシートの記入例を参照し、列の変更は絶対しないで下さい。

    B 市町村合併に関してはとりあえず現時点(5月末)でのデータに基くこと。入力者は気をつけてください。

     
     



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