第9回講座 水田を見る  (2011.6.11.)
講座内容  水田の農業生産の現状と水田のもつ自然環境への多面的な機能について考える
講  師   松下美郎 先生 大阪府環境農林水産総合研究所 企画調整部長
場  所   能勢町平野付近



「ここ(くりの郷)の直売所はほとんど地元産のもので良く売れている。農家の底力を感じる」と、松下先生。


航空写真を見て気がつくことは?
基盤整備され、四角形に区分けされた田が並んでいる。


クイズ形式で進む講座。「1人が1年間に食べる米(約60kg)を作るのに必要な水田の面積は?」答えは40坪。大阪府は自給率約5%だそうだ。


午後からは水田観察。川の縁にはオオキンケイギク(特定外来生物)が昨年よりずっと増えていた。


畦の草で在来種はクズ、トウバナ、イヌガラシ、チガヤ。外来種はオニウシノケグサ、ブタナ、ヒメジョオン、ユウゲショウ、アメリカフウロ、アカツメクサ等。


基盤整備した田の畦は、3m程の段差があり草刈は大変な労力。


山の斜面の土留めに吹き付けられたシナダレスズメガヤ(外来種)の根は、砂利性の土を細かくする性質があり、今まで砂利性の土に適応していた植物が消えていった。


田の水が濁っているのは、オタマジャクシ、イモリ、カブトエビ、カイエビなどがいて、泳ぎ回り水をかき混ぜるからで、雑草が生えにくくなるそうだ。


右手前のイネの間に密生しているのはタイヌビエで、厄介な雑草。


一番上の方の田の持ち主の堀口さんに話を聞く。上の田は美味しいお米ができるのだそうだ。気温の差が大きいので味も良く収量も多くなると松下先生。


田の横の斜面は、ノギラン、オオバノトンボソウ、ササユリ、キキョウ、タツナミソウなどが堀口さんの丁寧な草刈で残されている。


美しい棚田の景観は、農家の方の努力によって保たれている。
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