第24回講座 「野生動物との共存」 (2010.10.9.)
講座内容奈良公園のシカを軸に人と野生動物とのかかわりを考える
講  師鳥居 春己 先生 奈良教育大学教授
場  所奈良公園/奈良教育大学



奈良公園にいる鹿が及ぼす実態を学び、”シカのことが嫌いになってもらえれば”と挨拶をされる鳥居先生。


雨の降る中、飛火野地域で聞こえてくる鳴き声は?
⇒雄が雌を呼んでいる声。秋は、シカが発情する季節で、雄は雌の群れに入り縄張りをつくる。


シカが食べない”イラクサ”。 直接手に触れた受講生から、”痛い!ヒリヒリする”との声。この地域の”イラクサ”は、鹿から身を守るため、平城宮跡のものに比べて、トゲの数が多いそうだ。


奈良公園では、シカの影響で”シイ・カシ”が林立している場所が殆ど残っていない。 。


この場所のようにシカが入れない柵内には、多くの植物が見られるが、柵外にはみ出した枝・葉は、食べられてしまっていた。


@春日大社の神木である”ナギ”、A”シダ”、B”アセビ” が残されている異常な世界である。


奈良公園周辺の畑を荒らして捕獲された約200頭のシカが この場所に収容(終身刑)されている。


シカの追跡調査用として、発信器用の”マイクロチップ”を付けたシカ。”マイクロチップ”を付けた終身刑のシカを離した所、また畑を荒らしたそうだ。


午後から奈良教育大学講義室での講座。
@シカは他の種を絶滅させているか?
Aシカとはどのような動物なのか?などについて、鳥居先生から説明を頂く。


シカとカモシカの違い。体格と食性の違いは?
@体格; シカは、頭胴長 130cm、体重は 50〜80kg。カモシカは、110cm、30〜40kg
A食生; シカは、何でも食べ大量。 カモシカは、選んで食べ、少量。


奈良公園は、シカが作った世界である。シカが増えると、シカに都合の良い植物と食べない植物だけの世界に変わってしまう。


奈良公園のシカは、日本人と同じである。
@高齢集団、A結婚が遅くなっている、B子供の数が少ない
これらをどう考えるべきかと、受講生に問いかけられる鳥居先生。
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