第16回講座 淀川の河川環境B 病める淀川の現状   (2010.8.11.)
講座内容淀川大堰から赤川鉄橋を経て城北ワンド群まで歩き、淀川大堰上流域の河川環境の現状を見る
講  師中野 勝弥先生 淀川自然観察会主宰
場  所淀川大堰〜赤川鉄橋〜菅原城北大橋〜城北公園



 先週の特別講座”ツバメの塒入り”比べて感動は少ないが柴島〜城北公園まで歩きながら、淀川の現状把握と課題について考察して欲しいと挨拶される中野先生。


 治水および利水を目的に建設された”淀川大堰"。安定した飲料水の確保ができたが、水位変動が少なくなり、流れが停滞(ダム湖化)し、生態系に変化を生じている。


 大堰の上流と下流で採取された"淡水”と”汽水”の違いを、2グループに分かれて確認する受講生。


 今、合成洗剤などが含まれている家庭排水が問題となっている。
 上流から流れてくる水にどれだけの不純物が含まれているのだろうか?


 魚道が設けられているが、汽水域にいくと魚は戻ってこれない。
 人間にとって、塩分がなくて良い水が得られ、洪水の心配もなくなったが人間以外の生物にとっては、環境面で住みにくくなっている。


 ”阪神水道企業集団”の取水口。この水は、神戸の東灘区付近まで使用されているそうだ。(注:尼崎市は少し上流に単独の取水口を設けている。伊丹・宝塚は猪名川から取水している。)


 河川敷にあるゴルフ場(淀川水域で6ヶ所)では、農薬が使用されている。
 ゴルフ場近辺の取水口では、使われる500種類の農薬のうち、検査項目に指定された200種類のみ検査が行われている。


 水道用鉄橋上部に群がる100羽以上の”カワウ”。


 城東貨物線に沿って設けられている”赤川仮橋(全長:586m)”を通行する受講生。


 赤川仮橋上から見た"ワンド”。国交省は、今後10年間で90ヶ所のワンドを計画しているそうだ。


 菅原城北大橋から、上流方向を見る受講生。
 1〜3期生は、この場所からツバメの塒入りを観察することができたが、ツバメは、豊中方面へ引越ししてしまった。ヨシ原復元の手立てを行えば再びツバメを見ることができるであろう!


 中野先生から、配布された資料に基づいて講座のまとめを行って頂いた。
 多様な生き物の生息、生息する豊かな自然環境を次世代に引き継ぐ為にも、今後とも地道な活動が必要である。
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